宝石の国の感想とちょっとネタバレ!

かつて「にんげん」と呼ばれる生き物がいた世界。地上の生物はすべて海の中にいる微生物に食われ無機物となり、長い年月をかけて、それらは人の形をした「宝石」へと生まれ変わりました。全部で28人いる彼・彼女らは全員宝石としての特性を持ち、自分達を装飾品にしようと空からやって来る謎の存在「月人」との戦いに明け暮れる日々を送っています。

主人公は28人の中で最年少である「フォスフォフィライト」。彼はとても脆く、他の能力に長けてもいません。そのためこれまで仕事を与えられていませんでした。そんな彼に仕事が与えられた時から、彼自身とその周りに色々な変化が起き始めます。
これはそんな、戦う宝石達の物語です。

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ちょっとネタバレ!

物語は主人公のフォスフォフィライト(通称フォス)が、宝石達をまとめている「金剛先生」から呼び出しを受けるところから始まります。宝石達は全員、何かしらの仕事を分担して行っています。ですがフォスはとても脆く、腕力もありません。

さらに月人が好む色合いをしていることから戦いには参戦させられず、しかしその他の仕事をやってもミスばかりしていたため、一人だけ仕事がありませんでした。

フォス自身は戦闘メンバーに加わりたいと思っているのですが、先生だけではなく仲間内からも止められる始末です。フォスの脆さはひときわで、他の仲間とうっかり触れ合っただけでもどこかが破損してしまうのです。

現に、月人との戦いで、あっさりとフォスはバラバラに壊れてしまいます。それも相手の攻撃ではなく、金剛先生の攻撃の余波を受けて。
宝石達の身体の中には彼らを創り出したとされる微生物が棲みついており、太陽の光さえあれば、どんなに酷く壊れても、くっつきさえすればまた元通りになれます。つまり不死の存在。宝石達が月人と戦うのも、不死であるがゆえに、欠片を全部取り戻すことが出来ればまた元に戻せるから。仲間を取り返し、自分達が攫われないために戦います。

つまりフォスが前線に出ていくと、仲間を取り返すどころかあっさり攫われるだけとなる可能性が高いのです。
最終的に、フォスに与えられたのは博物誌。地味で面倒臭そうだと気の進まないフォスですが、戦闘要員の一人に「代わる?」と聞かれると微妙に躊躇しつつ、さらに受け取った剣の重さに耐えかねてふらついてしまいます。

こうしてフォスは、ぶつくさ言いながらも、博物誌の仕事に着手していくこととなるのです。

今後の展開と熱いポイント!

この話の登場人物は、姿こそ人ですが人間ではありません。宝石です。そのため、2つの特徴があります。

1つは「硬度と靱性があること」です。どれだけ硬く、どれだけ壊れやすいかですね。宝石の種類によってそれぞれ違いますが、主人公のフォスは硬度三と低く、靱性に至っては最下級。

つまりうっかり転んだだけでパキンと割れる可能性が大です。実際、作中でもたびたび壊れます。

もう1つは「性別がないこと」ですね。外見的・性格的に男の子寄り・女の子寄りになっている宝石はいますが、全キャラクターに男っぽさと女っぽさの両方が備わっています。

実際、フォスは水面に映った自分の姿を「可愛い! 凜々しい!」と言い表しています。

28人もいる宝石達は、初めのうちは区別がなかなかつかないかもしれません。ですが個性ははっきりしているので、読み進めていくうちにどんどんその魅力を感じられるでしょう。

美麗な絵と描写に含まれる、うっすらとした不気味さ、そして美しさを感じてもらいたい。そんな作品です。

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